薬の飲ませ方

薬の飲ませ方

乳児の場合
 みず薬はそのまま飲ませます。こな薬は一滴か二滴の水または湯に指でとかして、ねってだんご状あるいはねり状にしたものを口の中の上あごに塗りつけた後、ミルクまたは母乳を飲ませます。このときにできるだけ少量の水に溶かせるようにして下さい。
 溶かすときは一口で飲める量にして、スポイトやスプーンで与えます。ほ乳瓶の先に水に溶かした薬を入れて、飲ませてもかまいません。このときミルク全体にまぜないで下さい。味が変わりミルクを飲まなくなったり、薬をきちんときまった量を飲めなくなります。
幼児の場合
 みず薬もこな薬もできるだけほかのものにまぜない方がいいでしょう。少量の水で薄めて、飲ませてあげてもいいです。
 どうしても薬をいやがるときは子どもの好きなものにまぜてかまいません。シロップや砂糖水、カルピス、ジュースなどが適当です。砂糖で甘くしてもいいし、凍らせてシャーベットのようにしてあげてもいいです。
 まぜる場合、牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、コーヒー牛乳、練りチョコレート、ココアなど味がやわらぎます。
 ただし薬によってはスポーツドリンクやジュースはかえって苦くなるものもあります。
こな薬
 少量の水で泥状にとかして与えます。どうしても飲まない場合は、少量の砂糖あるいはココアなど子どもの好きな物を混ぜて飲ませるなどの工夫をして下さい。
 匙の裏につけて、少量ずつ舌の中央にのせて与えます。指先に少量つけて上あごにつけます。1回で飲みほせる量の水か白湯にとかし与えます。
みず薬
 直接投薬ビンに口をつけて飲ませないで、必ず1回分をほかの容器にとって飲ませます。スポイトで口の奥のほうにいれて飲ませたり、匙で少量ずつ流し込むようにして飲ませてもいいです。
注意
 みず薬は、飲ませる前に、静かに振って均一にしてから1回分をとって下さい。
 薬とミルクを混ぜるとミルクの味が変わって、ミルク嫌いになることがありますので、混ぜないで下さい。ミルクを飲ませる前のほうが赤ちゃんはよく飲むことがあります。食後で飲まない場合は、子どもが飲みやすい時に飲ませてかまいません。
 ジュースや牛乳と混ぜて飲ませると、薬の種類によっては効果が落ちることがありますので、医師に相談して下さい。

服用時間について

 食事の回数が多いのに、1日3回毎食後等の指示のときは、1日の総回数は決められた通りとして、およそ朝・昼・夕に与えて下さい。
 下痢止めや吐き気止めは食事30分くらい前に飲ませたほうが効き目があります。食事がとれない場合も、およそ朝・昼夕に与えて下さい。
 1〜2時間ずれてもぬいたりせず、1日に指示された回数は必ず守って下さい。またどうしても時間が守れそうもない場合は、1日3回8時間毎の場合、起床時、昼食後、寝る前。1日4回6時間毎の場合、起床時、昼、夕、寝る前に飲ませるようにして下さい。
抗生物質のように病気の原因になっているバクテリアを直接殺すような薬は、薬の血中濃度を常に一定濃度以上に保つことが必要です。中途半端に飲むと、その抗生物質が効かない、新たな、強いバクテリアができてしまう事があります。抗生物質は、しっかり飲ませきって下さい。
抗生物質により腸の中のバクテリアが変化して、下痢をすることがあります。そのときは医師に相談して下さい。

飲ませたけれど吐いてしまった時は

 ほとんどの場合、次ぎの投与時刻まで待って与えたほうが無難です。もしその都度吐いてしまうようなら、医師に相談して下さい。

服薬後の症状について

 服薬後、発疹が出たり、顔が赤くなったり、痒くなったりした時や、いつもと違う様子に気づいた時は、服薬を中止して、医師に問い合わせをして下さい。

飲み残しの薬について

 抗生剤は症状が良くなっても最後まで飲ませきって下さい。
残った薬はとっておかないで必ず捨てて下さい。特にみずぐすりは、変質しやすいので1週間程度破棄して下さい。
 子どもの病気は症状がいろいろ変わりますので、前にもらって残った薬を親の判断で飲ませるのは好ましくありません。またお兄ちゃんの薬を弟に飲ませたりする事は、思わぬ事故につながることがあります。

坐薬の使い方

 坐薬は、先にオリーブ油、または水をつけて少し柔らかくしてから挿入するようにします。
 坐薬の刺激で排便することがあります。坐薬挿入後10分以内に排便し、坐薬が出てきてしまった場合は入れ直して下さい。
 解熱剤は、体温が38.5℃以上で機嫌の悪い時に使用します。
 坐薬を使用する際は十分な水分を補給し、脱水状態が無いようにして下さい。
 腸を冷やさないように、アイス・氷・冷たい水やジュースは禁物です。必ず温めて下さい。
 発熱でひきつけを起こしやすい小児、あるいはだるさが強いときなど早めに(37.5〜38℃くらいで)挿入して下さい。
 挿入しても熱が下がらない時は、4〜6時間くらい間をあけてから使用して下さい。
 ボルタレン坐薬はインフルエンザの時には使用しないで下さい。関連記事

薬の保管について

 みず薬、坐薬は冷蔵庫で保管して下さい。解熱剤の坐薬は、着色したり、形が変化したものは使ってはいけません。なお冷凍庫に入れると長期間保管できる場合はがあります。(凍ったまま使わないで下さい)
 子どもが好むおいしい薬もあります。親が目を離したすきにゴクゴクと自分で飲んでしまうことがあります。子どもの手の届かないところに保管して下さい。
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